「ティキ!ティキ!ティキ!ティキ!ティキ!」 WA MIAMI TIKI
20年ぐらい前、靴屋にて店主がグッドイヤーウエルト製法の伝統的で代表的な靴を指し「若い方はつま先、踵の大きなゴツい靴を好むけど、歳をとると細身でしなやかな革に細工を施したエレガントな靴を好むようになりますよ。好みが女性化するというか… 」なんて言われたなぁ。
というわけでウエスタン・アームズ製のマイアミ・ティキです。実銃は高級カスタム銃を製造するSV社(ストレイヤー・ヴォイト)が映画「マイアミ・バイス」のために用意したものです。とはいってもSV社はオーダーを受け付けているから全く同じものが入手可能だと思う。
実はSV社については詳しくない。さらにいえばSV社のって好きではなかったりする。よって弄くるのはこれが初めてだったり。
ちょうどエア・ガンとしてSV社のがモデルアップされ始めていたときに、この趣味から離れていたことが一番の原因ではないかと思う。ついでにこの頃、ダーっと出たガバ・クローンについても詳しくなかったりする。
よってこの趣味を中断するまでの80年代あたりで止まっていて、銃の好みもこの頃までのものに限ってしまっていたという…
なんだけど、GUN誌2006年10月の表紙にこれが載ってて「むっ、なかなかいんじゃねーか?」と思ってw
で、特集記事を読むと「ほーほー、ふむふむ、なるほどなるほど」と。気に入った点は後述… ここでもう一つ、この記事を読んでというか画像を見て私がなぜSV社のが好きではないかについて気付いてしまった。
「ダブルカラムのフレームが嫌い!」
ひょっとしてSV社の存在意義、価値に関わることかもしれないが(前述の通り詳しくないのでSV社ファンの方は怒らないで)ダブルカラムのフレーム、あとマガジンウェルの唐突な感じがダメで。
というわけで、SV社のはみんなそうなんかな? と思っていたところにシングルカラムのこれですよ。直線基調の単純な面構成のように思えて、細部にはちょいちょいと手を加えてあってなかなかイイと思いました。まっ、スッキリし過ぎな感じがしないでもないが。
マイアミ・ティキを紹介するにあたって映画「マイアミ・バイス」にも触れなければならないでしょう。
マイアミ・バイスのTVシリーズは私が学生のときに授業やバイトの合間合間に飛び飛びで見ていたのでそれほど詳しくはないのですが、マイアミが舞台のそこかしこにバブル臭の漂うステキな刑事ドラマで、派手なガンアクションが魅力的でした。
主人公のひとり、ソニー・クロケットはアンコンジャケットが似合う遊び人風のチャライ風貌で使用銃はS&W M645のステンモデルと、これまた良く似合っていて、相棒のリコと濃紺のデイトナ・スパイダーを駆り活躍する姿はカッコ良かったですね~♪
こんな人たちが
こんなのや
こんなのに
こんなのまで登場します。
これらはお約束というか、マイアミバイスには欠かせないアイテムですね。もちろんマイアミ・ティキも重要なアイテムだと思うのですが、登場したのは
敵陣の中のホテル内でちょこっと。
敵陣に乗り込む前、ブリーフィング時にちょこっと。
このシーンはちょっと長くて、分解清掃した後かな? オイル引いて馴染ませる為か「チキ、チキ、チキ、チキ、チキ!」っとスライドを動かすぐらいですよ… 結局、発砲シーンはなし。
あと、ワンシーンあったような? にしても3回ぐらいですよ、画面に映ったのは。。
拡大してみました。ちょっと粗いですがw
マイアミ・ティキの細部紹介の前に、ティキのスタンダードモデル(でいいかな?)を紹介。
スライドの刻印がマイアミ・ティキと違っていて 両側面に“INFINITY”、さらに右側面には“TIKI”とあります。
マイアミ・ティキにはフレーム側、ダストカバー部に“INFINITY”の刻印があります。
あと、スタンダード・ティキにはテーパーバレルが載っていますが、マイアミ・ティキにはバレル上面には箱状のガス・ポートが付いていてスライド上面の切り欠きと咬み合うになっています。
ハンマーはいわゆるデホーンドハンマーとなっていて、その特殊な形状から“クロコダイルハンマー”と呼ばれ、マイアミ・ティキの特徴となっています。このネーミング、ワニに似てるからですかね? このモデルのためにSV社がデザインのしたものなのか、すでにある汎用パーツなのかはわかりません。
実物はハンマー内側、段差部分が肉抜きされいるのですが、材質からくる強度の問題のためか肉抜きされていません。黒く塗りつぶし雰囲気だけでも再現してあげればいいかもしれませんね。
スライド上面、マイアミ、ノーマルとの比較です。前述のとおりマイアミにはガス・ポートが2つ開いています。私はノーマルのつるんとスッキリしたところが好きなのですが、マイアミの複雑な形状もイイですね。
さて、やっと核心に入ります。なぜ、嫌いであったSV社のを買ったのか?
それはSV社が考案したサイト一体型のスライド、IIOS(インフィニティ・インテグラル・オプティック・スライド)のサイト・ピクチャーを見てみたかったからです。
通常の照星、照門ではなくて、フロントの2点、リアの2点の合計4ドットを水平に並べて狙います。実銃のドットにはトリチウムが取り付けられていて、薄暗がりでも光り、照準の助けとなります。こちらでは蓄光塗料ルミノーバにて発光を再現しています。効果はご覧のとおり。ドットがズレてしまっていますが!w
フロントのドットが後ろから見えるように溝を加工してあるのですが、溝配置の幅がフロントでは広く、リアでは狭くなっていて、単純な箱状のスライドも実はリアからフロントにかけてなだらかに傾斜したとても複雑な形状をしています。まぁ、いろいろと見所のあるモデルです。
目的、狙いどころは一緒と思えるコンシールド・キャリー。
だが、好対照と思えるモデル。
言うなればスパルタンとエレガント。
両方とも魅力的に思える今日この頃。